URBAN ECOLOGY LAB
中央大学 理工学部 人間総合理工学科 都市生態学研究室
MISSION
研究室概要
都市生態学研究室
Urban Ecology Lab
都市生態学研究室(Urban Ecology Lab)にようこそ! 私達は中央大学 理工学部 人間総合理工学科の研究チームであり、別名は原田研究室(Harada Lab)です。都市計画で自然を活用する分野は理工系、農学系、芸術系に幅広く散らばっていますが、原田研究室はこれら全てを横断し、融合分野や都市全体を扱う数少ない研究チームです。
緑地デザインや環境エンジニアリングなど、都市の自然に関連する産業は、21世紀に差し掛かる頃から世界的に拡大し、持続可能な都市を実現する大きな勢力を形成しています。当研究室はこれらの現場に直結する研究教育を目指し、新しい政策や技術を検証したり、逆にそれらの「種」を現場で見つけ、提案に向けて先駆けて研究しています。
そして自然には、その美しさに加え、環境の質を改善する機能が秘められており、特に水害やヒートアイランド現象の低減、大気汚染や水質の改善など、近代の都市計画に欠ける大切なものが含まれています。当研究室はこれらの機能面を含め、自然の様々な可能性を「定量的」に扱うことで、持続可能な都市の実現に貢献します。
原田研究室は学生の方々だけでなく、自治体と企業、住民、そして学科内外の研究グループに開かれたチームです。皆さんとの様々な活動を楽しみにしています。
PI
プロフィール
原田 芳樹
Yoshiki Harada
島根県出身。早稲田大学 理工学部建築学科卒業。東京大学大学院情報学環(住宅都市解析研究室)にて修士課程修了後渡米。ハーバード大学 デザイン大学院 ランドスケープ学科修了。コーネル大学 農学生命科学大学院 総合植物科学研究科にてグリーンインフラを中心とする都市生態学の研究を通し博士号を取得。ジェームス・コーナー・フィールドオペレーションズ社 ニューヨーク事務所にて米国大都市の環境デザインに従事。ハーバード大学 デザイン大学院客員講師、イェール大学 森林環境科学大学院 研究フェロー、コーネル大学 都市緑化研究所フェローを経て、中央大学 理工学部 人間総合理工学科に都市生態学研究室を設立。都市計画で自然を活用するためのデザインと科学を幅広く扱いつつ、緑地による環境改善効果の定量化と高度化を専門とする。デザイナーとしての作品にはフィラデルフィア市レース通り桟橋公園やニューヨーク市コロンビア大学マンハッタンビラ計画など。共著書には「Urban Soils」(Taylor & Francis) や「決定版!グリーンインフラ」(日経BP)、「海外で建築を仕事にする2 都市・ランドスケープ編」(学芸出版社)など。仕事外の楽しみは体づくりとスキー。
TEAM
研究メンバー
堀田 夢起
Yumeki Hotta
M2 Graduate Student
長井 智哉
Tomoya Nagai
M2 Graduate Student
林 遼太郎
Ryotaro Hayashi
M2 Graduate Student
新納 佳人
Keito Nino
M2 Graduate Student
福島 龍星
Ryusei Fukushima
M2 Graduate Student
南方 政人
Masato Minakata
M1 Graduate Student
小林 彩乃
Ayano Kobayashi
M1 Graduate Student
栗原 類
Rui Kurihara
M1 Graduate Student
田城 颯大
Sota Tashiro
M1 Graduate Student
藤井 凜
Lin Fujii
M1 Graduate Student
飯田 颯斗
Hayato Iida
M1 Graduate Student
長谷部 太政
Taisei Hasebe
M1 Graduate Student
山内 千聖
Chisato Yamauchi
B4 Undergraduate Student
江連 万実
Mami Ezure
B4 Undergraduate Student
志村 怜音
Leo Shimura
B4 Undergraduate Student
冨元 太智
Taichi Tomimoto
B4 Undergraduate Student
吉岡 希
Nozomi Yoshioka
B3 Undergraduate Student
山里 武史
Takeshi Yamazato
B4 Undergraduate Student
川城 香菜子
Kanako Kawashiro
B4 Undergraduate Student
田島 翼
Tsubasa Tajima
B4 Undergraduate Student
荒谷 惇稀
Atsuki Araya
Research Fellow
工藤 若菜
Wakana Kudo
Research Fellow
原田 芳樹
Yoshiki Harada
Principal Investigator
研究テーマ
Research Areas
都市生態学
Urban Ecology
この研究室の総合テーマは「都市生態学」です。日常の都市環境を舞台に生態学の考え方や、データの取得・分析方法、そして得られた情報を政策評価やマーケティングに応用する方法を幅広く扱います。例えば公園や空き地で採取したサンプルを機器や薬品を使って分析すれば、樹木や土壌微生物の健康状態、そして気候変動や都市化によるストレスに至るまで、様々なことが分かります。そして種々のセンサーやカメラ、ドローンなどを使い、従来に比べて格段に詳細で広範囲に、そしてリアルタイムに都市の自然を観察する技術が台頭しています。このような新しいデータの集め方や、どのデータを、誰に、どう見せるかという情報共有の戦略も重要な研究テーマです。
都市代謝システム
Urban Metabolism
都市環境の様々なデータを収集する究極の目的は都市の総合的評価です。例えば水・栄養素・重金属の収支を通して、都市環境を評価する分野は「都市代謝科学(Urban Metabolism / Urban Biogeochemistry)」と呼ばれ、特に米国の都市生態学では重要テーマとして扱われています。本研究室では同様の手法を用いて、都市環境において緑地が果たす役割や、緑地・人間・土木システムを含めた都市全体の持続可能性を定量的に研究しています。
生態系サービス
Ecosystem Services
「自然の恩恵」には環境の維持・改善や作物の供給など様々なものがありますが、これらは総じて「生態系サービス(Ecosystem Services)」と呼ばれています。このテーマは本学科において複数の研究グループが取り組む重要課題ですが、本研究室は都市の緑地に関する事例に注目し、都市計画への応用を目指しています。昔から保存された緑地に加え、デザインにより作り込まれた緑地や、新しい技術を使って創出された緑地も研究することで「都市全体」を扱うことを目標としています。事例研究や計画実務に加え、実験を通した生態系サービスの定量測定と高度化に取り組んでおり、実務と政策に直結した理工学を目指しています。
グリーンインフラ
Green Infrastructure
生態系サービスを活用した都市計画は、現代の都市計画ではグリーンインフラ構想と呼ばれ大規模に実践されています。関連する生態系サービスの中でも、本研究室では緑地による水害の減災、ヒートアイランド現象の低減、大気汚染や水質の改善、農作物の生産、廃棄物処理などを扱っています。これらの生態系サービスは行政が未来の都市像を描き、社会に説明する上で重要な要素となっていますが、本研究室は定量的な分析と推定を通して、政策や都市計画の実務に直結した研究を目指しています。そして農作物の生産に関するものは、食の質や安全性を通して「人間」に直結するテーマであるため、学際的な研究の柱としています。
産学連携研究開発
Research & Development
都市環境を理解・改善するための新しい情報技術を目指して、様々な企業と共同研究開発を行っています。このような技術にはセンサーやカメラ、ドローンを駆使したデータ収集方法や、得られた膨大なデータを計画やマーケティングに役立てる方法などが含まれます。そして、このようなデータを蓄積し、分析すると、緑地が水や栄養素を使う効率や、様々な生態系サービスを供給する性能を定量的に評価することができます。このような知見に基づいて、生態系サービスを高度化するための人工土壌や土壌改良剤、給排水システムの開発に取り組んでいます。また都市から排出される廃棄物の物性を分析し、人工土壌の素材として使うことで、緑地を使った廃棄物処理機能の向上も目指しています。
都市生態学の系譜
History of Urban Ecology
都市生態学は非常に多面的な学問です。例えば今世紀初頭までは、都市における動植物の調査や森林管理などの自然科学に、思想や環境史といった人文科学が混ざり合い、都市生態学のようなものを構成してきました。このような学域はイギリス、ドイツ語圏、スカンジナビア諸国、アメリカ、日本などで独自の歴史を持ちますが、現代においては更に多くの国や地域が加わり、それぞれが独自の進歩を遂げています。この系譜を考えることは、都市や都市に息づく生命を考えるための、面白い概念や発想を理解することに繋がるため、科学史への貢献に加え、研究やデザインへの応用が期待されます。
国際競技設計
International Design Competition
社会が環境デザイン何を求めているのか。そして、どのようなプロジェクトが実現し、分野を変容させているのか。このような時代の潮流は実務の前線において、自分自身で確かめる必要があります。本研究室では国際競技設計のような舞台に加え、実際のクライアントや敷地を扱う実務を重視しています。
研究内容が
良くわかる書籍
Selected Publication
LEARNING
@ UELAB
目指す人材
新しい時代の
ジェネラリストの育成
A New Generalist
自分の生き方にとって重要な「学際性」とは何でしょうか。例えば企業や官公庁でも、時代に合わせてプロジェクトは目まぐるしく変わりますし、異なる知識が必要となる異動・出向・転職は増え続けています。研究の世界でも時期によって異なる応用分野や新しいテーマを扱うことは、ごく一般的になりました。そして我々の寿命が延びるにつれ本業・副業・休職・復職の境目は確実に薄れていきます。つまり我々の多くが「複数のテーマ」を生きる時代になります。
このような時代に、異分野を少々漂流しても通用する視点やスキルがあれば、人生はもっと楽しくなります。そして自分なりの学際性をプロデュースしつつ、一生学び続けることが、充実した毎日に繋がっていきます。そこには趣味やボランティアに加え、国内外の実務や資格、学位などの幅広い「学びの選択肢」が存在します。
原田研究室では身近な都市環境を切り口とし、定量的な思考や確証の大切さを学びます。英語表現に関しては日常会話から共同研究に至るまで、全ての種類と水準に合わせてスキルを共有します。そして海外での実務や留学に関しても、経験に基づいた指導をします。目まぐるしく変わる現代では、未来地図は役に立たないので、迷わぬよう小さなコンパスをお渡しします。
COLLABORATORS
主な共同研究
企業・機関
CLASSES
授業
担当・分担授業
都市と環境
都市空間と行動
都市社会生態学
都市環境生態学
エコロジカルプラニング
空間情報科学概論
環境デザイン論
デザイン技法
人間総合理工学演習
フレッシュマンセミナー
ソフォモアセミナー
インターンシップ
CONTACT
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